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松ぼっくりやどんぐり、ハスの実やレンコンなど、木の実や野菜がそのままの形で真っ黒な炭になったオブジェをどこかで見たことはないでしょうか?
これらは「花炭」もしくは「飾り炭」と呼ばれ、木の実、葉、花、果物など素材そのままの形で炭化させてつくる観賞用の炭。
500年も前から茶道の世界で珍重されてきたという歴史があり、今では除湿や消臭機能のあるインテリアグッズとしてもおなじみになってますね。
この花炭、本当に素材そのものの形のままで炭になっていて、とっても繊細な美しさ。
さらに見た目は繊細でも“炭”本来の除湿や消臭などの特性もしっかり有しています。
しかも木の実はもちろん、野菜や果物、花、葉っぱ、パンやクッキーなど、植物系のものであればほとんど花炭にすることができてしまうのです。
そして花炭づくりはとてもシンプルな工程。
焚き火やガスなど、火さえあれば自分の好みの素材で花炭を作ることができるのです。
今回使ったのはトゲトゲのフォルムがユニークなプラタナスの実。
プラタナスは街路樹としてもよく見かける樹木です。
お散歩途中にできるだけきれいな形のものを選りすぐって拾い集めてみました。
素材が準備できたら蓋付の空き缶を用意し、蓋に釘やキリなどを使って空気抜きの穴を数カ所あけます。
缶の中に程よく隙間を開けつつ素材を並べ、穴を開けておいた蓋をしかり閉めて火にかけます。
キッチンのガスコンロでもカセットコンロでも、アウトドア用のガスバーナーでも焚き火でも、熱源は炎が出ればなんでもOK.
でもせっかくなので、ぜひ火起こしからチャレンジする焚き火を楽しみたい。
どの木が燃えやすいか、薪の組み方はどうすればいいか、適度な火力を維持するための工夫とか。
焚き火の世界はとっても奥が深いもの。
子どもと一緒なら、楽しみながらいろんな学びを得られる貴重な時間にもなると思います。
缶を火に掛けたら、しばらくすると蓋の穴から白い煙が出始めます。
これが缶の中の素材が炭に変化し始めたサイン。
素材の水分が抜けて完全に炭化するまで、しばらく炎を眺めながらWaiting Time.
白い煙が出なくなったら出来上がりです。
完成したプラタナスの実の花炭。
細い軸やトゲトゲの先までそのままの形で炭になりました。
季節の飾り物として玄関やリビングに、消臭剤や除湿剤として靴箱やトイレに置くのもヨシ。
今度は何を花炭にしてみようかと画策中です♪
ここでひとつ注意しないといけないのが、ある程度まで温度が下がるまで絶対に缶の蓋を開けちゃダメということ。
熱いうちに蓋を開けると、酸素が入ることで火が着いて燃えてしまうことがあります!
しかし、このトゲトゲのフォルムにこの色…
某有名アニメに登場する真っ黒なキャラクターにしか見えない…(笑)