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今回から5回に渡り、このコラムでインテリアと色についてお話したいと思います。
家を建てるときって色を決める機会って意外と多いものです。内装材を例にとっても、床材・壁紙・建具・カーテンなどなど、たくさんの選択肢の中から色決めをしていかなければなりません。ドキドキわくわくしながら色とりどりのサンプルをご覧になることと思います。しかし楽しみであると同時に、これまた大変な作業であるのも事実です。好きな色を選んだのにごちゃごちゃしてしまったり、シンプルなインテリアにしたはずなのに落ち着かなかったりした事はありませんか?
それはインテリアの色選びに失敗しているのかもしれません。ちょっとしたコツを知っておくだけで、お部屋のコーディネートがスムーズに進みます。
毎日視界に入ってくるこれらの色は、インテリアのイメージを大きく左右します。住む人の個性やライフスタイルに合わせたカラーコーディネートを考えていく必要がありますし、家族・来客・個人が使うスペースなど、空間によっても求めるイメージは変わります。どんなイメージの部屋作りをしたいのかということが色選びのポイントになります。
まずはインテリアのイメージを決めましょう。その空間にどんなイメージを求めるかによって、取り入れる色も違ってきます。例えば、開放的でカジュアルなイメージの部屋、暖かみのあるナチュラルな感じの部屋、落ちついた統一感のある部屋、と言うふうに具体的な言葉にするとよいでしょう。
次にインテリアを構成する色のバランスを考えましょう。イメージが決まってくると空間に使っていく色の配分をしていきます。その空間に占める色の面積を3つのゾーンに分け組み立てていきます。
ベースカラー( 70%) 天井・壁・床などのように大きな面積を占める色のことで、全体のイメージを左右し、部屋の基調色になります。1色でなくてもかまいませんが、ベージュ系・オフホワイトなどの淡い色や明るい色が適しています。
アソートカラー ( 25%) カーテン・ソファー・家具類などの色のことで、お部屋に寄り添わせるカラーです。ベースカラーに加えることで変化を与え、全体のバランスをとっていきます。ここでのカラー選びがポイントとなります。どんな部屋にしたいか、部屋のイメージに合わせて色を変えていきます。
アクセントカラー (5%) 絵・クッション・置物などの色のことで、部屋全体を引き締める役割をします。
メリハリを与えて、個性的な印象を与えることもできます。
そして色が決まったら素材(質感)など細部を決めていきましょう。カーテンや家具などは、素材・柄・スタイルによって部屋の雰囲気がガラリと変わります。素材 (天然・合成 etc) 柄(花柄・抽象柄・ストライプ・無地 ) スタイル (フラット・プリーツ・ギャザー・シェード etc) 選んだ素材を部屋のイメージに合わせて活かす工夫も大切です。
このようにインテリアコーディネートではイメージをつかむことによって「色」を選び「素材」「形」を決めていきます。それぞれのライフスタイルに合わせて、住む人の個性を引き出したコーディネートでイメージ通りの空間作りをしていきましょう。
1日の約半分近くを過ごす家。居心地のいい空間は私たちの心と体を、そして毎日の生活を豊かにしてくれます。快適な住まい作りのために、色を意識的に選ぶことを心がけていきましょう。