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こんにちは、ライフコーチの山内陽子です。
先日、オンワード樫山・広島支店で新卒をともに過ごした同期と、広島・宮島へ小さな旅に出ました。
あの頃よく乗った広島行きのフェリーに、今回また乗船してあの頃の記憶が蘇りました。
38年前、片道は1,800円。
当時の私には決して安くない額でした。
甲板の風に当たりながら新しく始まる日々にドキドキしたり、実家での休暇を終えて「また頑張ろう」と胸の奥で小さく拳を握っていました。
いま同じ航路に立てば5,800円。数字は三倍以上に膨らみ、景色も街も変わりました。
それでも、いちばん変わったのはフェリーの上の私の感情です。 かつての緊張や焦りは、いまでは不思議と感謝と静けさに置き換わっている。
潮の匂いは同じなのに、身体のどこに沁みていくのかが違うのだと気づきました。
宮島で並んで歩く同期は、笑い合いながらも、ときどき若い日の私を指さすように思い出を差し出してくれます。
同期って、時間をまたいで“若い日の自分”を証人として覚えていてくれる存在なんですよね。
配属初日の緊張、閉店後の倉庫での励まし合い、悔し涙を流しながらの値札付け。
本人以上に覚えている人がいてくれるから、いまの私ももう一度やさしく立て直せる。
この連載でお届けしてきたのは、そんな自分を支え直すための、小さな舞台装置でした。
朝の光で「はじまり」の合図を送り、夜は「ありがとう」を三つ書いて眠る。
家の片隅の椅子に腰を下ろして、三分だけ呼吸を思い出す。
ときどきAIに下ごしらえを任せ、頭と時間に隙間をつくって、そこに深呼吸や家族の笑顔を置いていく。
——家は、意識をやさしく導く器だと、改めて感じています。
フェリーの窓に映るいまの横顔は、昔より少し柔らかい。 若い日の私に手紙を書くなら、こう伝えます。
「大丈夫。あなたが毎日決めてきた小さな一つ一つは、ちゃんと未来のあなたにつながっているから」と。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
もし、次の一歩を考えているなら、あなたの“原点”が呼吸しやすい場所に、あなたの“今”がよろこぶ家を。
そして、光の入り方や声の響き方を、ぜひRNB住宅展マサキデッキで確かめてみてください。
住まいが整うと、意識もまた、静かに前へ進んでいきます。
また,どこかの季節で。
今日のあなたに、やわらかな追い風が吹きますように。